ぽつんと暮らし@ベトナム

ベトナム地方生活

ベトナムの田舎で妊婦をした時の小話

どうも、4年前に初ブログを書いてから、放置。

戻ってきたらベトナム6年目でした。

その間に2回出産を経験しました。

 

今回は、ベトナムで経験した妊娠中の話を小話で書いていきます。

  1. 男の子を生みたいなら
  2. 妊娠中もビールOK
  3. 流産しかけたらもち米とエビは厳禁
  4. 流産しかけでもベトナム版漢方、それか苧麻根(ちょまこん)
  5. 便秘にはサツマイモのツル
  6. 近所の子供のお古の服をもらう
  7. お葬式には行かない、行くなら棺桶は覗かない
  8. 熱を持つ食べ物は控えて
  9. 不妊治療や妊活の話は超オープン
  10. 女の子2人と聞いたら大体この反応

 

1.男の子を生みたいなら

 ベトナムではまだまだ男の子が好まれる傾向が高いです。ここ数年、人工受精の技術が浸透した結果産み分けが一般的になりました。確実に男の子が欲しい場合、何百万円もかけて医療の干渉を受けます。ただ、やっぱりお金かかりますよね。経済的に人工授精が難しい家庭は、男の子を授かることができる薬を飲みます。ベトナム版漢方というとわかりやすいです。どこの地方にもそういうベトナムの伝統的医薬を扱っている家族がいます。いわゆる家伝医薬で、何代にも渡って地元の人たちに重宝されているものです。私の家の裏の男の子もお母さんがその薬を飲んだから授かったのだとか。果して。

 

2.妊娠中もビールOK

 これは初めての妊娠がわかったとき。病院(私立病院)で渡された妊婦のしおりに、「ビール少量ならOK」と書いてありました。理由は、ビールには胃腸を消毒して、胃腸系の病気を防ぐからだと書いてあった記憶。たしかにベトナムの妊婦さんでビール飲んでる人はわりと見かけます。夫の親戚や私の同僚も飲んでました。私はさすがに飲もうとは思いませんでしたが...。

 

3.流産しかけたらもち米とエビは厳禁

 2人目妊娠中に流産しかけました。定期健診を受けていた地元の産科診察所の先生に、もち米を含む食べ物とエビを食べないよう注意されました。なるほど、それらの食べ物は血行を良くするからダメなんですね。日本って妊娠中に出血したら食べたらいけないものって何か言われますかね。

 

4.流産しかけでもベトナム版漢方、それか苧麻根(ちょまこん)

 3と同時期ですが、流産しかけている!やばい!となり、義母が遠くまで伝統医薬を買いに行ってくれました。薬草なんですが、潰して出た液を沸かし、汁を作ります。色は泥色で苦みが強く、臭いもなかなかとれません。それを毎日水筒に入れて、会社に持って行って飲んでいました。鼻をつぶりながら。

 ベトナムでは、妊娠中の出血には苧麻根(ちょまこん)がいいとされています。苧麻根は止血作用があるようです。ただ、苧麻根は私のところでは珍しかったようで、義母がずいぶん探してくれましたが見つかりませんでした、

苧麻根(ちょまこん)

5.便秘にはサツマイモのツル

 多くの妊婦が苦しむ便秘ですが、ベトナムではサツマイモのツルで便秘が解消されるとされています。食べ方はシンプル。ツルを茹でるだけ。ついでにゆで汁も飲みます。ベトナム人の便秘にはいいかもしれませんが、私のは解消されませんでした。

 

6.近所の子供のお古の服をもらう

ベトナムの風習ですが、赤ちゃんを迎える準備として、近所の子供たちが着ていたベビー服をもらいます。ただどんな子供のものでもいいわけじゃないんです。元気で丸々として、賢くて、いい子で…そんな子供が着ていたベビー服です。ベトナムではXin vía(シン ビア、魂をもらう)といって、自分の赤ちゃんもその服を着ていた子供のように元気で大きくなってほしいという想いからだそうですが、どっちかというとベビー服を新しく買わなくてもいいから節約のメリットのほうが強いかもしれませんね。あげる側ももう着ないベビー服が片付くしで一石二鳥。

 

7.お葬式には行かない、行くなら棺桶は覗かない

 これはわかりやすい風習ですかね。亡くなった人の霊やそれに集まる霊が子供を連れ去ったり、とりつくのを防ぐためです。また、精神的影響を軽減するためとも言います。このため、胎児はおろか、小さい子供はお葬式に連れて行ってはいけません。身内が亡くなったときはお葬式に出席してもOKですが、棺に近寄ったり、覗いたりしてはいけないとされます。

 

8.熱を持つ食べ物は控えて

 熱を持つ食べ物=体を温める効能がある食べ物です。体を温める効能がある食べ物と聞いて、何か浮かびますか?体を温めるといいように思えますが、温めすぎると口内炎になったりニキビがでたり、便秘になったりするらしいです。ベトナム人は熱をもつ食べ物・体を冷やす食べ物をよく知ってるんですよね。例えば熱を持つフルーツだと、ライチ・竜眼・桃・プラム・バンレイシなどなど。妊娠中、特に妊娠初期はこれらは食べないほうがいいとされてます。流産しやすくなるとか。食べるなら少量で。

バンレイシ

9.不妊治療や妊活の話は超オープン

 1でも書きましたが、ベトナムでは体外受精や産み分けはかなり一般的になりました。それゆえ、その話を隠したりとかはしません。近所で誰かが体外受精したらすぐ村中に知れ渡ります(世間話好きのおばちゃんはどこにでもいますからね。)。私も「近所の誰々が体外受精して~」とか「誰々んとこの夫婦が男の子が欲しかったんだけど、採れた受精卵がが女の子ばっかりで採取し直しでまた○億ドンかかったんだって~」とか全部入ってきます。だいたい金額の情報も入ってくるのがミソ。話す方も聞く方も全く普通ですが、日本人からしたらちょっと恥ずかしい気もしなくはないです。

 

10.女の子2人と聞いたら大体この反応

 私は娘が2人です。それを聞いてベトナム人老若男女がする反応ベスト3。

1位 「3人目は体外受精で男の子ね!」

 下の娘を妊娠しているときから、親戚、近所の人、なんなら全然知らない人からも「3人目は体外受精で男の子ね!」と言われ続けています。老若男女問わずです。私は全然平気で聞き流しているんですが、上の2人の子供の性別を知って、3人目を産まなくていいと言ってくれる人に出会ったことがないです。田舎なので特にかもしれませんが。

2位 「将来金持ちだぞ!」

 これはなぜかというと、将来息子を結婚させるとなると結納をはじめ、すごくお金がかかるからです。例えば男2人兄弟だと、一般的に兄夫婦は両親と同居します。息子夫婦とその子供も住むとなると、手狭になるので家を改築することになります。一方弟夫婦は、別に家を建てて住む必要がでてきます。家の費用はもちろん両親も出すことになります。だからコストがかかるんですね。女の子の場合は、嫁入りさせたらそこまでだから...という趣旨での発言です。

3位 「女の子は価値が高いぞ!」

 ベトナムでは男の子が好まれるあまり、産み分けをしたり、女の子だとわかった時点で堕胎するケースが少なくありません。その結果男女比が崩れてしまい、女の子が男の子に対して少なくなっています。2023年出生した子供の比率は女の子100人:男の子112人。こうなれば、今後結婚したくてもできない男で溢れてしまうようになるんですね。だからこそ、女の子には価値がある。ただ個人的な意見では、今の子供たちが大きくなったら男女問わず未婚率が上がってそうですけどね。

 

 

妊娠中のことを思い出しながら書いてみました。

まあ別にどうってことない記録なんですが、備忘録に。

気が向いたら出産したときのことや産後の色んな風習についても書けたらなと思います。

もし読んでくださった人がいれば、ありがとうございます。